妊娠すると貧血になりやすいといいますが、
それはいったいなぜなのでしょうか?
こちらでは、妊婦と貧血の関係について紹介いたします。
妊婦はなぜ貧血になりやすい?
妊娠すると貧血になりやすいと言われており、
その割合は妊婦の3~4割は鉄欠乏による貧血になるというデータがあります。
なぜ貧血になりやすいのかというと、
第一に、自分の分の栄養や酸素を送る血液以外に
赤ちゃんにも十分な栄養や酸素を送らなければいけません。
そのため、非妊娠時に比べて多量の血液が必要となります。
妊婦の体の中では赤ちゃんにも血液が必要ということから血液量が増えるのですが、
血漿量が最大で47%程度、赤血球は17%程度増加するといわれています。
ですが、この差を見ればわかるように、赤血球はそれほど増えませんので、
結果的に赤血球の濃度が薄くなる(血が薄くなる)ため貧血になりやすいといわれています。
それに加え、赤ちゃんにも血液が必要となるので
鉄分が不足しやすい状態になり貧血になりやすいのです。
そういった状況の中、妊娠初期ではつわりの影響で
食事量が減る、吐くことで栄養がうまく摂取できないということも重なり、
貧血に陥るということもたびたびあります。
また、妊娠初期だけでなく妊娠中期・妊娠後期では
赤ちゃんはどんどん大きくなっていきますので、
その分たくさんの血液が必要となります。
うまく鉄分を摂取できないと貧血になる可能性はあります。
妊婦は1日にどれくらいの鉄分が必要なの?
妊婦が貧血になりやすい理由はわかったと思います。
では、1日にどれくらいの鉄分が必要なのか見ていきましょう。
非妊娠時では、成人女性の場合1日に必要な鉄分は8.5~9.0mg摂取するように
いわれています。推奨量としては、10.5mgとされています。
妊娠時の場合、厚生労働省によると
妊娠初期では推定平均必要量は+2.0 推奨量は+2.5とされていますので、
実際の平均必要量は10.5~11.0mg 推奨量は13.0mgとなります。
妊娠中期・後期(末期)では平均必要量は+12.5mg 推奨量は+15.0mgとされていますので、
実際の平均必要量は21.0~21.5mg 推奨量は25.5mgとなります。
ちなみに、授乳中は平均必要量は+2.0 推奨量は+2.5とされていますので、
妊娠初期と同じ計算になります。
参照:日本人の食事摂取基準(2010年版)
このように鉄分は大幅に必要とされます。
妊娠初期では成人女性の非妊娠時と比べ必要量はさほど増えておりませんが、
妊娠中期後期になると赤ちゃんに必要になる鉄分も大幅に増えるので、
鉄分を意識して摂取していかないと、貧血になる可能性があるというわけですね。
まとめ
貧血になると産婦人科などで鉄剤が処方されたりしますが、
基本的な考えは貧血になる前に、しっかりと鉄分を補うということが大切です。
ですので、日ごろから小松菜や枝豆、海藻類などの鉄分が多く含まれる食材を
意識して摂取することが望ましいでしょう。
ですが、中期後期になると鉄分の平均必要量が大幅に増えるため、
サプリメントからの摂取も視野に入れてもいいかと思います。
最近では妊娠中に必要な葉酸に加え、鉄分も含まれたサプリメントが出ていますので、
紹介しておきますね。
貧血は母体だけでなく赤ちゃんにも影響が出る可能性がありますので、
日ごろからの鉄分摂取は心がけていきたいですね。