妊婦がりんご病にかかると胎児に20~30%の割合で感染すると
言われていますが、妊婦がかかるとどうなってしまうのでしょうか?
また、胎児にはどのような影響があるのでしょうか?
こちらでは、妊婦がりんご病にかかった場合、
りんご病を予防するにはどうしたらいいのか?について
紹介しております。
妊婦がりんご病にかかったらどうなるの?
りんご病患者の多くが4~10歳の子供に感染し
ほっぺが赤くなったり発熱、頭痛、手足の発疹、関節痛、倦怠感などの
症状が現れるのですが、大人(妊婦)の場合、子供同様の症状が
現れる、または高熱など重症化することがあるのですが、
りんご病特有のほっぺが赤くなるという症状が現れないことも多く、
風邪のような症状だけで終わる不顕性感染ということも珍しくありません。
その確率は50%なんだそうです。
大人の場合は、風邪かな?と思っていたら実はりんご病だった
ということもあり得ますので注意が必要です。
また、子供よりも重症化することもありますので注意が必要です。
胎児への影響は?
妊婦がりんご病にかかるとおよそ30%程度の確率で
胎児に感染し妊娠20週以下では1/3程度の確率で
胎児水腫になり胎児が死亡、流産することがあります。
つまり妊婦が感染するとおよそ10%の確率で胎児が死亡する可能性があるということですね。
りんご病のウイルス(パルボウイルスB19)は
赤血球のもととなる細胞に感染して赤血球を破壊して
一時的に赤血球が減少するのですが、胎児の場合重篤化した場合
赤血球が減少して胎児貧血を起こすことがあります。
胎児貧血が進行するとむくみが現れ、むくみがひどくなることで
胎児水腫となる場合があります。
ちなみに妊娠20週以降では胎児水腫にはほとんどならないそうです。
(医師によっては25週以降)
つまり注意すべきは妊娠初期~中期にかけてということになります。
たとえ胎児に感染したとしても胎児水腫にならなければ、予後は感染していない胎児と同じ経過を辿るようです。
どれくらいの確率で感染するの?
大人への感染率は、25%程度。
妊婦の場合ですと免疫力が非妊娠時と比べて
低下していますので、もう少し感染率は上がるでしょうか。
りんご病は1度発症すると抗体ができますので、
2度とかかることはないといわれており、
75%程度の方は抗体を持っているといわれています。
(抗体は50%以上の人がもっていると言われることも)
万が一抗体を持っていない場合の感染率は家族が感染していた場合で、
50%程度と言われています。
参考としてですが、とある産科医のお話ですが数年に1人くらいの割合で
りんご病を患った妊婦さんを見るといった程度の割合だそうです。
・妊婦は葉酸をいつまで摂取すべき?妊娠中期以降も必要?
もし妊婦が感染してしまったら?
もし妊婦が感染した場合(それらしい症状が出た場合)は、
すぐにかかりつけの病院(産婦人科など)に電話で相談しましょう。
妊婦が感染したら、胎児には感染後3週間後
遅くても8週間後には胎児に症状が現れることがあり、
1週間ごとの割合でエコーでみていくことになるかと思います。
エコーでみていくことで胎児水腫になっているかどうかわかるようなので。
妊娠後期は大丈夫?
注意すべきは妊娠初期から中期にかけてなのですが、
妊娠後期にも胎児水腫が出る可能性はかなり低下するものの
0%ではありませんので、りんご病が流行っている時期は
りんご病の流行っている学校や幼稚園、保育所などには
極力足を運ばないようにする方が賢明かと思います。
確率が確率なので、過剰に不安になることはないと思いますが、
意識しないということも問題となるかと思います。
予防策は?
りんご病の感染経路は飛まつ感染となりますので、
予防策としては風邪同様に手洗いうがいを徹底する。
出かける際はマスクをして出かけるようにしましょう。
また、家族がりんご病に感染している、もしくはしたと思われる場合は、
飛まつを拡散させないようにマスクをしてもらいましょう。
流行時期(3~7月あたり)は特に注意し
集団感染が起こっている場所には足を運ばないことを
心がけましょう。
ご自身がりんご病の抗体を持っているかどうかわからない場合は、
病院で血液検査により抗体を持っているかどうか調べられますので、
気になる場合は、検査を受けるのも良いかもしれません。
まとめ
りんご病は妊娠中に発症すると母体感染で胎児に
移行してしまう可能性はありますが、
重篤化する可能性は低いですので、それほどびくびくと
不安になる心配はないかと思います。
ですが、何も予防しないというのも問題なので、
流行時期には特にですが、流行っている場所には足を運ばない、
手洗いうがいやマスクの着用など心がけるようにしましょう。