妊娠中に納豆の食べ過ぎはよくない
というようなことを聞いたことはないでしょうか?
なぜ食べ過ぎるのよくないのか?
胎児に何か影響するのか?など
妊娠中の納豆の摂取について
紹介いたします。
妊娠中に納豆は食べてもいいの?
食べても特に問題とはなりませんが、
食べ過ぎることによって、
胎児に影響が出る可能性があると
示唆されています。
何が影響するのかというと、
イソフラボンが関係してきます。
納豆に含まれるセレンというミネラルも
関係するという記事を見かけますが、
こちらについては、さほど気にする必要は
ないでしょう。
イソフラボンを過剰摂取するとどうなる?
妊娠中、特に妊娠初期にイソフラボンを
多量に摂取すると
胎児の生殖機能が未発達になるなどの
影響が出る可能性があると言われています。
また、大豆イソフラボンのもつ
トポイソメラーゼⅡ阻害作用により
遺伝子異常が出る可能性も示唆されています。
参照:食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」
大豆イソフラボンアグリコンの1日摂取目安量の上限は、
70~75mgとされており、
通常なら特定保健用食品などで
上乗せ摂取量として+30mgまでが
上限とされているのですが、
妊婦の場合は、有益性が見いだせないとして、
上乗せ摂取は推奨されていません。
つまり、妊娠中に大豆イソフラボンの
特定保健用食品は摂取しないように
ということです。
では、納豆に含まれているイソフラボン量ですが、
1パックで平均29.4~36.8mg含まれています。
参照:食品安全委員会 大豆イソフラボンP5
ですので、推奨される1日の摂取量となると、
納豆だけで考えた場合、納豆2パックとなります。
大豆製品には、イソフラボンが含まれていますので、
たとえば、豆腐1丁(300g)には、大豆イソフラボンアグリコンが
約60.9mg程度含有されています。
もし1日に豆腐を半丁(150g)食べたら、納豆は1パックにしたり
豆乳1本(200cc)およそ52.1mgのイソフラボンアグリコンが
含まれていますので、豆乳を飲んだら納豆は1/2パック
これで、1日の上限に近くなります。
他に大豆イソフラボンが何に含まれているか知りたい方はこちらをご参照ください。
⇒食品安全委員会(大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方 P15)
気を付けなければいけないのは、サプリメントで
大豆イソフラボンを摂取した場合、
そして通常の食品に含まれる大豆イソフラボンを
過剰摂取し続けた場合に、
何か問題が起こる可能性はあるかと思います。
納豆や豆腐など通常の生活の中で
摂取している分は、摂取しすぎた分は、
体外に排出されるという話もありますので、
たまに摂取しすぎたからといって
特に気にする必要はないかと思いますが、
栄養バランスのことを考えると、摂取しすぎるのは、
よくないかと思います。
一応上記は目安としてお考えください。
・妊婦は葉酸をいつまで摂取すべき?妊娠中期以降も必要?
セレンとは?
セレンは発育や生殖に欠かせないミネラルの中の
必須元素で、カドミウムや水銀などの有毒物質と
結びついて毒性を弱める働きがあるため、
摂取した方が良い成分です。
ですが、過剰に摂取しすぎると、
妊婦自身に
- 下痢や吐き気など消化器官の機能低下がみられる
- 爪の変形や爪がもろくなるなど異常が出る
- 末しょう神経障害
- 抜け毛やふけが増える
というような症状が現れることがあるようです。
といっても、普通に食べる分には全く気にする必要は
ないでしょう。
妊婦の1日のセレン推奨摂取量は
およそ30μg
と言われており、
1日の摂取上限は、
350μgと言われています。
参照:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/dl/h1122-2b.pdf
深刻な中毒症状が現れるのは
800μg以上とされています。
参照:wikipedia セレン
ちなみに納豆100g中には
セレンが8.8μg含まれているようで、
大豆が取れた土壌によっても変わってきますが、
およそ8~16μgとみてよいかと思います。
参照:wikipedia 納豆
他のサイトで納豆100g中にセレンが
234μg含まれるなど書かれていますが、
これは土壌による最大値?
か何かわかりませんが、
通常はこんなにも入っていません。
セレンが多く含まれる食材としては、
- カツオ 131μg
- いわし 130μg
- 帆立貝 74μg
- 牡蠣 50μg
- 玄米 26μg
となっております。
普通の生活をしているうえで、
セレンの欠乏はないでしょうし、
納豆に関していえば、セレンの過剰摂取になるような
こともないでしょう。
※通常の四角いパックに入った納豆は、1パック40~50g
丸いパックに入った納豆は、30~40g
まとめ
納豆には、タンパク質をはじめ、
ビタミンやカリウム、葉酸、鉄分、カルシウムなど
様々な栄養が含まれていますので、
1日に1品納豆などの大豆食品を取り入れ、
バランスよく摂取するように心がけたい
食品です。
過剰に摂取さえしなければ、
毎日食べても問題はないでしょう。
ただし、サプリメントなどからの
大豆イソフラボンの摂取は避けてください。
もし、ご自身の食べてる量が多いのかな?
と、心配なようでしたらかかりつけの医師に
相談されるのが良いかと思います。